正規分布とは
正規分布とは、「平均」のデータが一番多くなり、それを中心として左右対称に「分散」の広がりをもつような分布のことです。
日常生活における正規分布
日常生活において正規分布に従うような事象は以下の例のように数多くあります。
- 身長の分布
- 170cm(平均)の人が最も多く、169, 168, …と身長が減っていくとともに、対象の身長の人数が減少していきます。逆に、171, 172 ,173,…と身長が増えていく場合も同様に対象の身長の人数が徐々に減少していきます。(減り具合が分散)
ロボットへの応用
ロボットにおいては、
- 「センサのノイズの分布」を正規分布と仮定して、真のセンサ値を推定する
- 「自己位置推定時の位置のズレの分布」を正規分布と仮定して、位置を推定する
このように、統計の分野では「◯◯が正規分布に従うと仮定する」という前提で問題を設定することがよくあります。
もちろん、実際の分布がどのようになっているかは、データを集めてみないと分からないのですが、自然界における現象は正規分布に従うことが多いため、このような仮定で話を進めても割とうまく推定できることが多いです。
また、正規分布は「平均」「分散」という2つのパラメータのみで分布が決まるので、扱いやすい(コンピュータで高速に計算できる)のも嬉しいポイントです。
ちなみに、当然ですが
- 「センサのノイズがある正規分布にしたがう」と仮定したが、「実際のセンサのノイズは正規分布に従っていなかった」場合は適切に真のセンサ値の推定ができない
という点は注意が必要です。