ロボット関連用語メモ ジャミング転移
ジャミング転移(jamming transition)とは
粒子の集まりが、流体のような状態から個体のような状態に変わる現象を「ジャミング転移(jamming transition)」という。
日常生活におけるジャミング転移の例
日常生活においてジャミング転移が起こるケースを紹介する。
- 砂のお城
- 砂が乾燥している状態では、サラサラした流体のような振る舞い
- 砂を水で湿らせると、固くなり個体のような振る舞いになる
- 小麦粉などの粉末のつまり
- 粉末を容器から出す際に基本的にはさらさら流れる
- しかし、ある条件下(特定の圧力や衝撃を受けるなど)においては粉通しが固まり、個体のような振る舞いをすることがある
ロボットへの応用
ジャミング転移はロボット分野の中では、特に「ソフトロボティクス」の分野で利用されることが多い。
「Brown, E., et al. “Universal robotic gripper based on the jamming of granular material.” PNAS, 107(44), 18809–18814, 2010.」では、下動画のようにジャミング転移を利用して制御するグリッパーを用いることで、様々な形状の物体を把持することに成功している。
本論文で紹介されているグリッパーは、把持したい物体に押し付け後に、真空状態にすることで「柔らかい状態→固い状態」に変化させている。